薬局症例#3‐1 問題編 脱水?嘔気、倦怠感を訴える高齢女性
4週間前から嘔気、倦怠感、食思不振を訴えている。
【患者情報】
- 年齢性別:85歳女性
- 既往:CKD、心不全、脳梗塞(左半身不全)
- 在宅患者。医師と1週間ずらして在宅患者宅へ薬剤師が訪問している。ほぼ寝たきりだが、意識は清明で、意思疎通はしっかりできる患者である。
- 服用薬:アスピリン腸溶剤100mg1T、PPI通常量1T、Ca拮抗薬通常量1T、トルバプタン7.5mg0.5T、フロセミド20mg1T、エルデカルシトール0.75μg1Cap、マグネシウム製剤
- 現病歴:4週間前から「なんとなく気持ちが悪く、だるい」と持続する嘔気、倦怠感、食思不振を訴えている。
- バイタルサイン:Bp138/65 呼吸数16回/分 KT36.3度 spO2;97%(室内)
- 身体所見:結膜貧血なし、黄疸なし、口腔内乾燥著明。
- 経緯:4週間前から嘔気、倦怠感、食思不振を訴えており、3週間前に医師が診察した。医師は心不全の急性増悪と狭心症、肺炎などの感染症、高血糖を否定したが、その場では診断がつかなかった。消化器科と(診察時にはめまいがあったので)脳神経・耳鼻科にコンサルトされたが、異常はなかった。1週間後に主治医再診予定である。
- その他の重要な陰性所見:嘔吐なし。下痢なし。腹痛なし。抗がん剤治療、放射線治療なし。転倒、頭を打ったことなどはない。
Q:薬剤師としてできる臨床推論は?